2020年5月5日火曜日

Nutanix Filesの構築手順②(共有フォルダの作成)

前回の記事(https://hanpamonoengineer.blogspot.com/2020/04/nutanix-filesfiles.html)でNutanix Filesの導入手順についてご紹介しました。

今回は前回作成したFiles上に共有フォルダを作成する方法についてご紹介します。

Filesの共有フォルダはPrismから作成することになります。
作成する際に共有フォルダに対していくつかのオプションを設定出来るので、そちらも一緒にご紹介させて頂きます。

Prismから「File Server」-「+Share/Export」を選択します。

項目「Name」に共有フォルダ名、項目「File Server」に作成したFilesを選択します。
また、今回はSMBのプロトコルで利用する手順を説明するので、項目「Select Protocol」は[SMB]を選択して下さい。
青枠で囲われた項目「Share Path」はFilesで作成した共有フォルダ配下のサブフォルダに共有設定を行う場合に指定し、項目「Max Size」は共有フォルダにクオータを設定する場合に入力します。

次の画面では共有フォルダに付与する属性を選択します。
上から・・・
・項目「Use "Distributed"...(略)」
ホームフォルダーやユーザープロファイルとして利用する場合に有効な分散共有フォルダとして作成
※詳細は別の機会にご紹介

・項目「Enable Self Service Restore」
スナップショットからファイル単位のリストアを行う機能を有効

・項目「Enable File System Compression」
圧縮を有効

・項目「Enable Access Based Enumeration(ABE)」
アクセス権を持たないユーザーに対して共有フォルダを非表示にするABEを有効化

・項目「Blocked File Types」
保存を許可しない拡張子を設定(複数設定可能)

・項目「Encript SMB3 Messages」
クライアントとのSMB通信を暗号化

必要な属性にチェックを入れ、「Next」を選択します。

最後に確認画面が表示されますので、内容に問題がなければ「Create」を選択することで、共有フォルダが作成されます。

数分で共有フォルダの作成が完了します。
共有フォルダは左上の「Share/Export」タブを選択することで確認できます。

Windowsのエクスプローラーから接続出来ることを確認して下さい。

以上で共有フォルダの作成は完了です。
作成直後はアクセス権の設定など特に行われていません。
次回は作成した共有フォルダに対し、アクセス権の設定方法などをご紹介します。

2020年4月27日月曜日

Nutanix Filesの構築手順①(Filesの作成)

前回の記事(https://hanpamonoengineer.blogspot.com/2020/04/nutanix-files.html)でNutanix Filesについて簡単にご紹介させて頂きました。
今回はNutanix Filesの構築手順をご紹介させて頂きます。
Filesが利用可能になるまでは、Filesのデプロイ、共有フォルダの作成、アクセス権の設定などいくつかの作業を行う必要があるため、複数の記事に分けてご説明します。

なお、FilesをSMBで利用する場合はActiveDirectory、NFSで利用する場合はLDAPが必要です。
今回はSMBでの利用する手順をご紹介させて頂くため、ActiveDirectoryの環境を予め用意しております。

Prismにログインし、上部左側のメニューから「File Server」を選択します。

「+File Server」を選択します。


構築時はFilesで必要となる環境が不足している場合は、以下のような画面が表示され、
Filesのバイナリをダウンロード、iSCSI Data Services IPの設定、Filesで利用するネットワーク設定が必要になります。

①「Download or Upload File Server Software」のリンクからFilesのバイナリを取得します。
特に要件がなければ最新をバイナリをダウンロードします。
なお、Filesのバイナリ取得はOn Click Upgradeと呼ばれる、Nutanixの各ソフトウェアを更新出来る機能を利用して取得されます。
(今回はバージョン3.6.3を利用します)

ダウンロード完了後は、右上の「✕」をクリックして前の画面に戻ります。

②「Add Data Services IP」からiSCSI Data Services IPの設定を行います。
[iSCSI Data Services IP]とはNutanixのストレージをiSCSIプロトコルで外部から利用する場合に利用するIPアドレスとなりますが、Filesの内部的な動作を行うためにこの設定が必要になります。
入力後、「Save」を選択します。

③「Add Network」からFilesで利用するネットワークの設定を行います。
すでに仮想マシンで利用するネットワークを作成している場合がほとんどだと思いますが、こちらからネットワークの作成が行えます。

条件を満たすと、青いチェックが表示されます。
全ての条件を満たし「Continue」を選択します。


ここからFilesの設定を行っていくことになります。
項目[Name]にはFilesのホスト名、項目[Domain]はActiveDirectoryのドメイン名、項目[File Server Storage]にはFilesで利用する容量を入力します。(TB単位)
Capacity ConfigurationはデプロイするFSVMのリソースが表示されます。
「Customize」を選択することで、FSVMのリソースを変更できます。

入力後、「Next」を選択します。

クライアント側のネットワークを設定します。
ここで設定するネットワーク情報はFilesを利用するクライアントが接続出来ることに加え、ActiveDirectory及びDNSに通信出来る必要があります。


はじめにネットワークを選択し、サブネットマスクとゲートウェイを設定し、中央あたりの「IP addresses」を選択することで、FSVMのクライアント側IPアドレスを設定するテキストが表示されます。
ここでIPアドレスはFSVMの数だけ必要になります。
合わせて、DNSとNTPの入力を行います。
入力後、「Next」を選択します。

次はFSVMのストレージ側のネットワークを設定します。
同様にネットワーク情報を入力しますが、ここで設定する内容は先程のクライアント側ネットワークと同じセグメントで利用することも可能です。
また、ここではFSVM数+1(仮想IPアドレス)のIPアドレスが必要になります。
入力後、「Next」を選択します。

ディレクトリサービスの認証情報を入力します。
今回はSMBの手順をご紹介しているため、「SMB」にチェックを入れます。
利用するActive Directoryの認証情報を入力し、「Next」を入力します。

最後に入力した内容の確認を行います。
下部のProtectionではバックアップに必要なProtectionDomainを自動で作成することが出来ます。
過去の記事(https://hanpamonoengineer.blogspot.com/2020/02/nutanixprotectiondomain.html)でもご紹介したバックアップ機能をFilesでも利用することが可能なので、このままチェックを入れておくことを推奨します。
入力内容に問題がなければ、「Create」を選択します。

Filesの作成が開始され、問題がなければ5分ほどで完了します。

合わせて、ActiveDirectoryのアカウントとDNSレコードの作成が自動的に行われます。

また、最後の「Protection」にチェックを入れている場合は、ProtectionDomainも自動的に作成されています。
(要件に合わせてスケジュールの設定などを行って下さい)

以上でFilesの構築は完了です。
ただし、現状はファイルサーバーが出来上がっただけの状態なので、この後に共有フォルダの作成を行う必要があります。
次回はFiles上に共有フォルダを作成する方法についてご紹介します。

2020年4月20日月曜日

Nutanix Filesの紹介

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※追記※
Files関連の記事を徐々に追加しているので良ければ、以下からご覧ください
Nutanix Filesの構築手順①(Filesの作成)
Nutanix Filesの構築手順②(共有フォルダの作成)
Nutanix Filesの構築手順③(アクセス権とクォータの設定)
Nutanix Files(共有フォルダの種類と負荷分散)
Nutanix Filesのバックアップと復元(Self Service Restore)
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今回はNutanix Filesと呼ばれるファイルサービス(ファイルサーバー)機能をご紹介します。
以前はAcropolis Files System(AFS)と呼ばれていた機能が名称変更されたものになります。
プロトコルはSMB(Ver1は未対応)、NFSが利用可能です。


FilesはNutanixの各ノードで展開されるFSVMと呼ばれるNASヘッドの役割を持つ仮想アプライアンスで、クライアントからの負荷分散と冗長構成による高可用性を備えたファイルサーバーを提供します。
このFSVMは3台から最大16台で構成され、各ノードで1台まで構成可能です。
そのため、Nutanixクラスター内のノード数よりも多くのFSVMを構築することはできません。

Nutanixのノードがダウンした場合や、FSVMに障害が発生した場合はファイルサービス機能を他のFSVMが引き継ぎ、継続してファイルサーバーの利用が可能です。

さらにNutanix従来の特徴も引き継いでおり、スモールスタートからのスケールアウトも細かく柔軟に実施が可能です。
FSVMがまだ存在しないノードや新規ノードに新たなFSVMを増やすことや、FSVMのCPUやメモリリソースを増やすなど柔軟に行うことが出来ます。

Nutanix Filesはこのように拡張性、可用性、パフォーマンスに優れ、他のファイルサーバーと比較しても優位性のある機能になります。
外部またはNutanix内にWindowsファイルサーバーを構築しファイルサーバーを提供することも出来ますが、このような高機能を実現するには構築、運用ともに手間が掛かってしまいます。
Nutanix Filesであればこのような機能を利用出来るだけでなく、Nutanixで統合した管理と運用が行うことが出来る点も大きなメリットだと思います。

このNutanix FilesはPrismから簡単かつ短時間で導入することが出来ます。
次回はこのNutanix Filesの導入方法についてご説明させて頂きます。


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※追記※
Files関連の記事を徐々に追加しているので良ければ、以下からご覧ください
Nutanix Filesの構築手順①(Filesの作成)
Nutanix Filesの構築手順②(共有フォルダの作成)
Nutanix Filesの構築手順③(アクセス権とクォータの設定)
Nutanix Files(共有フォルダの種類と負荷分散)
Nutanix Filesのバックアップと復元(Self Service Restore)
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