2021年4月30日金曜日

Prism Centralの紹介と展開方法

今回はPrism Centralについて簡単に紹介をさせていただきます。

Prism Centralとは

Prism CentralはNutanixのクラスターを複数管理することを目的に作られた機能です。
ただ、現在は統合管理だけでなく仮想マシンの一斉操作などの細かな操作やクラスター利用状況の分析、SSP(Self Service Portal)と呼ばれる異なる管理者単位でリソースを分割して提供・管理できる機能などが追加されています。

さらに、ファイルサーバー機能であるFiles(ファイルサーバー)の一部拡張機能やCalm(オートメーション)、Flow(マイクロセグメンテーション)などのソリューションを利用する際にPrism Centralから管理・操作されるようになっており、徐々に用途が増えているようです。

普段操作しているNutanixのクラスターVIPから接続する管理画面も「Prism」と呼ばれているため混同されることがありますが、あちらの正式名称は「Prism Element」と呼ばれるものになります。
一般的に「Prism」と表記・呼称するときは【Prism Element】を指すことが多く、「Central」や「PC」と表記・呼称するときは【Prism Central】を指すことが多い印象です。
本記事では混同を防ぐためにどちらも略さずに表記するようにします。


Prism Centralの利用手順

Prism CentralはNutanix上で動作する仮想アプライアンスとして提供されます。
Prism Centralの展開はPrism Elementから簡単に実施することができます。
全体的な流れは、以下のようになります。
 1.Prism Elementのダッシュボードから、Prism Centralをデプロイ
 2.Prism Centralデプロイ後、初回ログインを実施(この時、Prism Centralのパスワードを設定)
 3.Prism Elementに戻り、Prism Centralへ参加

なお、いつも使っている検証環境(ハイパーバイザーがAHV)はすでにPrism Centralをデプロイしている状態のため、本手順はいつもと異なる環境を利用しており、ハイパーバイザーはESXiを利用しています。(AOSバージョンはLTS 5.15.5)
 ※AHVとESXiで手順に違いはありません。


はじめにPrism Elementにログインします。
ログイン後、ダッシュボード左上の[Prism Central]をクリックします。

ポップアップが表示されます。
上の「Deploy」をクリックします。

デプロイするPrism Centralのバージョン一覧が表示されます。
右上の[Show compatible versions]にチェックボックスにチェックを入れることで、現在のAOSと互換性のあるバージョンのみが表示されます。
特に指定がなければ、一番上のバージョンの「Download」をクリックします。

仮想アプライアンスに冗長性をもたせる方式(3VM)か単一VMどちらでデプロイするか指定を行います。
Prism Centralはそこそこリソースが必要なため、今回は単一でデプロイを行います。

仮想マシン名とネットワーク情報を入力し展開するストレージコンテナを選択します。
また、仮想アプライアンスのリソースを[SMALL] or [LARGE]のどちらかを指定しますが、SMALLでも2500VMをサポートできるので、ほとんどの環境はSMALLで問題ありません。
入力後、右下の「Deploy」をクリックします。

Prism Elementのダッシュボードに戻り、Prism Centralのデプロイが開始されます。
作業開始時に選択した箇所が[Deploying]と表示されていることが確認できます。

デプロイ完了には少し時間がかかります。(本環境では約15分ほどかかりました(多分))
デプロイが完了するとDeployingの表示がもとに戻り、上部のタスクからデプロイが完了したことが確認できます。

デプロイ直後は、Prism ElementとPrism Centralの連携ができていない状態です。
連携を行う前にPrism Centralに接続して、認証情報の設定を行います。
認証情報の設定には別のウィンドウを開き、デプロイ時に設定したIPアドレスにて接続してください。
 ※余談ですが、Nutanixクラスター作成直後のPrism Element接続時と同じ画面が表示されます。

初期の認証情報は以下で設定されています。
 ・username:admin
 ・password:Nutanix/4u

初期の認証情報でログインすると、パスワードの変更を求められるため、表示されている要件を満たしたパスワードを設定してください。

パスワードを変更して再度ログインを行うと、このような画面が表示されます。
システム的な動作に違いはないので、任意の値を入力してください。

次の画面はデフォルトのまま次へ進みます。

Prism Centralのダッシュボードが表示されます。
初期状態ではどのクラスターも管理していない状態のため、各ステータスは表示されていません。

Prism Centralの操作は一旦終わり、再度Prism Elementのダッシュボードに戻ります。
はじめにPrism Centralをデプロイするために選択した箇所を再度選択します。

表示されたポップアップで下の「Connect」をクリックします。

次のポップアップで「Next」をクリックします。

デプロイしたPrism CentralのIPアドレスと、初回ログイン時に変更したパスワードを入力します。

正常にPrism Centralが登録できると、ダッシュボードで選択した箇所が緑色で「OK」と表示されます。


OKと表示された箇所を選択すると、Prism Centralに接続することができます。
ダッシュボードの各パネルには初回ログインのときには表示されていなかった、連携されたクラスターの情報が表示されていることがわかります。

Prism Centralの利用手順は以上になります。


最後に

これまでの記事と少し変わってPrism Centralについて紹介させてもらいました。
Prism Centralは以前からある機能のため特に新しいものではありませんが、はじめに記載した通り、徐々にPrism Centralからできることが増えています。

今後は通常のNutanixにプラスして機能を利用する場合、Prism Centralを導入する機会が増えてくると考えています。