2019年12月17日火曜日

NutanixのAHVでWindows OSの仮想マシン作成方法

前回の投稿ではNutanix上で動作するCVMなどの説明を行うと記載していたのですが、現状ではNutanixの仮装基盤が出来ただけで仮想マシンの作成(主にWindows OS)がうまく出来ないと思いますので、そちらの方法について簡単にご紹介します。
現時点でMicrosoftのサポートが有効な各種Windows OSはすべてAHVで動作するのですが、今回はWindows Server 2019を導入していきたいと思います。

また、今回の検証環境は前回の記事でご紹介したNutanix CE上で実施しておりますので、Nutanix CEの導入方法を知りたい場合は前回作成した以下の記事をご覧下さい。
https://hanpamonoengineer.blogspot.com/2019/12/nutanixcecommunity-edition.html



AHV上でWindows OSを動かすための準備
前回の記事でNutanix CE上に動作確認用の仮想マシンを作成出来たため、すでに仮想マシンが動作する環境を用意出来ているのではないかと思われるかもしれません。
ですが、そのままOSのインストールを進めていくと仮想マシンのディスクが認識出来ていないことに気づくと思います。


仮想マシンの作成(失敗パターン)
このままではどういった問題があるのか、実際に見て頂ければと思います。
はじめに前回の記事で紹介したNutanix CE構築直後の状態で、Nutanix上に新たな仮想マシンを作って見ます。
Prismホーム画面左上で「VM」を選択し、画面右上の「Create VM」を押下します。

仮想マシンを作成する際に必要な各項目に以下のような値を入力します。
・Name:{任意の仮想マシン名}
・Description:(空白)
・Timezone:(UTC + 09:00) Asia/Tokyo
・vCPU(s):2
・Number Of Cores Per vCPU:4
・Memory:4 ※GB単位


また、今回はOSをインストールするためのディスクを仮想マシンに割り当てる必要がありますので、新規仮想マシン作成画面の真ん中あたりにある「+ Add New Disk」を選択します。
新たな入力項目が表示されますので、以下の構成で仮想ディスクを割り当てます。
・Type:DISK
・Operation:Allocate Storage Container
・Bus Type:SCSI
・Storage Container:default-container-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx ※xは環境により変動します。
・Size:40GB ※OSがインストールできる任意の容量。また、AHVはシンプロビジョニングが適用されるため、実際の容量はOSが利用を初めるまで圧迫されません。
・index:Next Available

入力後、下部の「Add」を押下します。

前の画面に戻り、先程追加したディスクが追加されていることを確認します。
また、項目[Type]に関しては前回の記事でご紹介した手順にて、Windows Server 2019 ISOイメージのアップロードと仮想マシンへ追加を行います。
残りの項目はデフォルトの状態で「Save」を押下します。

先程のウィンドウが閉じられ、仮想マシンが作成されます。
対象の仮想マシンを選択し、「Power on」を押下して仮想マシン起動後、続けて「Launch Consol」を押下してコンソール画面を表示します。

しばらくすると、Windowsのインストール画面が表示されます。
手順を進めて行き、OSをインストールするディスクを選択する画面で何も表示されていない状態を確認することが出来ます。

Windows OSをインストールする場合、そのままの状態では一部のデバイスを認識することが出来ないため、後述の手順通りドライバーの追加を行う必要があります。



成功パターンへの準備
1.ドライバーのダウンロード
Nutanix専用のハイパーバイザー「AHV」は、LinuxベースのOSS仮想化技術である「KVM」をベースに作成されたハイパーバイザーとなり、VirtIOパッケージに含まれる準仮想化ドライバー(以降VirtIOドライバー)が必要になります。
LinuxベースのためLinuxOSには標準で搭載されていますが、Windows OSの場合には事前にVirtIOドライバーを適用する必要があります。

まずはこのVirtIOドライバーをNutanix公式ページから取得します。
以下URLから「My Nutanix」に接続し、Support Portalを選択します。
My Nutanix:https://my.nutanix.com/#/page/accounts

Support Portalの画面左上の三本線を選択すると、以下のようなリストが表示されますので、項目[Downloads - Tools & Firmware]を選択します。
※一部、実際の問い合わせ内容が含まれるため、灰塗りで伏せております。

一覧の中から「Nutanix VirtIO 1.1.5 for Windows (iso)」が存在することを確認し、右側の「Nutanix-VirtIO-1.1.5.iso」を選択したダウンロードを行います。


ダウンロードしたISOファイルをAHV上にアップロードします。
※アップロード方法については、本ブログ最初の方に記載している前回の記事をご覧下さい。


2.仮想ネットワークの作成
仮想マシンに割り当てるための仮想ネットワーク、いわゆるvSphereのポートグループを作成します。
AHVではESXiと異なり、デフォルトでは仮想マシンに割り当てることが出来るネットワークが存在しないため、仮想マシンにNICを追加する場合は必ず作成する必要があります。
また、先程のディスクと同様にWindows OSから認識させるためには後述のVirtIOドライバーを導入する必要があります。

Prismホーム画面左上で「VM」を選択し、画面右上の「Network Config」を押下します。

「Virtual Networks」が選択されていることを確認し、中央の「Create Network」を押下します。

項目[Name]に任意のネットワーク名、項目[VLAN ID]に任意のVLANIDを入力します。

入力後、画面下部の「Save」を押下します。

先程の画面に戻り、仮想ネットワークが作成されたことを確認します。


3.仮想マシンの編集
ダウンロード及びアップロードしたVirtIOドライバーのISOファイルを、仮想マシンにマウントします。
一旦仮想マシンをパワーオフした後に、仮想マシンの編集を行います。
対象の仮想マシンを選択し、「Update」を選択します。

仮想マシン作成時と同様に、各設定項目が表示されます。
新規ディスク作成と同様に「+ Add New Disk」を選択します。
項目[Type]を「CD-ROM」に指定し、項目[Image]にアップロードしたVirtIOドライバーのISOファイルを指定します。
追加後は、画像のように2つのCD-ROMドライブが追加されていることを確認します。

そのまま続けて、ネットワークアダプターの追加も合わせて行います。
先程の少し下にある、「Add New NIC」を押下します。
作成した仮想ネットワークを選択します。

以下の画像のようにネットワークアダプターが追加されていることを確認し、「Save」を押下します。


4.仮想マシンの起動とVirtIOドライバの適用
再度、仮想マシンを起動し、Windows OSのインストールを進めていきます。
ここで、VirtIOのISOファイルからブートしてしまうとWindows OSがインストール出来ないため、ブート順序に注意してください。

起動していくと、初回起動時と同様にインストール先のディスクが見えない状態です。
ここで、「ドライバーの読み込み」を押下します。

「参照」を押下します。

もう一つのCD-ROMにマウントしているVirtIOドライバーのISOファイルから、対象OS・bit数のフォルダを選択します。
(画像ではEドライブにVirtIOドライバーのISOファイルがマウントされています)

選択後、通常であれば3つのドライバーが表示されます。
すべて選択して「次へ」を押下します。
(ここで追加されているドライバーはネットワークアダプター、ディスクコントローラー、メモリ開放を行うためのバルーニングドライバーが含まれています。)

先程の画面に戻り、正常にディスクが認識されている状態になります。
これ以降は通常通り、Windows OSのインストールに進んでいきます。

正常にインストールが完了し、OSの操作が行えることを確認します。


以上が、AHV上でWindows OSを動作させるための手順になります。

次回はCVMなどのNutanix上のコンポーネントや構成、またはNutanixのバックアップとして利用できるスナップショットどちらかをご紹介出来ればと思います。

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