2019年12月24日火曜日

Nutanixのバックアップに利用できるスナップショット

今回は表題の通り、仮想マシンのスナップショット取得方法をご紹介します。
タイトルにもあるように、Nutanixで取得したスナップショットはバックアップ用途としても利用が可能です。
vSphereのスナップショットの使用をご存知の方であれば疑わしくなるタイトルですが、その理由についても簡単にご説明出来ればと思います。

そもそもスナップショットについて
ご存知の方も多いと思いますが、Nutanixにスナップショットの利点を説明するためにもvSphereのスナップショットについて説明します。

まず、vSphereのスナップショットはバックアップ用途で利用することは想定されておらず、メーカーから72時間以内に削除することを推奨しています。
https://kb.vmware.com/s/article/1025279?lang=ja

では、なぜスナップショットをバックアップ用途として利用してはいけないのか?
その理由はvSphereのスナップショットのアーキテクチャーを少しだけ知ることで把握することが出来ます。

まずvSphereは仮想マシンの各要素をファイル形式で扱うことが出来ます。
その中でハードディスクもvmdkというファイル形式で管理されており、スナップショットを作成すると、その時点のvmdkファイルを読み込み専用に変更して差分ファイルを作成し、以降の書き込みは差分ファイルに行います。

スナップショットを作成する度に差分ファイルが作成され、読み書きともにデータへのアクセスを行う際はすべてのファイルをチェーン式に読み込む必要があるため、I/Oパフォーマンスが低下してしまいます。


もう一つの問題は、スナップショットを削除する際の動作に問題があります。
スナップショットを削除すると、差分ファイルを読み込み専用に変更した元ファイルにマージさせる動作が発生します。
このマージ処理が発生している間は仮想マシンに対して高い負荷が発生してしまい、差分ファイルの容量が大きいほどマージにかかる時間も比例して大きくなってしまいます。
これが、メーカーからスナップショットの保持期間が72時間に推奨されている理由の一つです。


vSphereの仕組み自体は仮想化アーキテクチャーとして非常に優れたものですが、スナップショット機能をバックアップ用途として考えた場合にはこのような問題が出てしまいます。


変わって、Nutanixのスナップショットを見てみます。
Nutanixのスナップショットはいわゆるストレージベースのスナップショットを行います。
ストレージベースのスナップショットでは、データをファイルではなくブロック単位で扱う形になり、スナップショットを取得すると現在データが存在するブロックを読み取り専用に変更し、書き込みが発生した際は別のブロックに対して書き込みを行います。

一見するとvSphereと同じように感じるかもしれませんが、こちらはデータの読み書きを行う場合に、直接データが存在する領域にアクセス出来るためvSphereのようにすべてのファイルをいちいち読み込む必要がありません。
スナップショットを削除する場合もファイルをマージするような動作は発生せず、読み込み専用になったブロックを開放するだけで完了するため負荷は発生しません。

これらの理由からNutanixのスナップショットはバックアップ用途としての利用が可能になります。


スナップショットの取得方法
それでは、実際にNutanix上でスナップショットを取得してみましょう。
前回の記事から、Nutanix CEで検証を行っているため今回も同様にハイパーバイザーはAHVで行います。
 ※手順は少し異なりますが、NutanixをESXiで導入していても同様にスナップショットを取得出来ます。

対象の仮想マシンを選択し、「Take Snapshot」を選択します。



スナップショットの内容がわかる任意の名前を入力します。
前述の通り、既存のデータ領域を読み込み専用に切り替えだけなので、負荷は発生せずに数秒で処理が完了します。

仮想マシンの一覧画面で対象の仮想マシンを選択し、下部にある「VM Snapshot」からスナップショットの取得状況を確認することが出来ます。


スナップショットからの復元とスナップショットの削除
先程の仮想マシン一覧画面で、少し下へスクロールし「VM Snapshots」を選択します。
取得したスナップショット情報の一覧が表示されます。
状態を戻したいスナップショットの右側にある「Restore」を選択することで、数秒で復元が完了します。

ただ、一点vSphereと比べて不満な点は、Nutanixのスナップショットは仮想マシンの動的メモリ情報をスナップショット取得時に保持することが出来ません。
つまり、仮想マシンを起動したままの状態で復元が行えないということになります。
実際にこの機能を利用してシステムを運用することはないと思いますが、一応補足となります。

続けて、スナップショットの削除方法についてですが、同じく画面下部の「Delete」から選択することでスナップショットの削除が行えます。
削除を行う場合も、前述の通りブロックの読み込み先を変更するだけなので、マージなどの処理はなく、負荷が高まることはありません。


以上がNutanix(AHV)でスナップショットを取得する方法になります。
非常に簡単な操作で取得することがおわかり頂けるたと思います。

実際にこれらをバックアップとして利用する場合は、仮想マシンごとにスケジューリングを行うかと思います。
今回はご紹介出来ませんでしたが、DataProtectionという機能を利用することで個別、または複数の仮想マシンをまとめてスケジュールを組むことが可能です。

次回こそはCVMなど、Nutanixのアーキテクチャーに関する内容をご紹介したいと思います。

2019年12月17日火曜日

NutanixのAHVでWindows OSの仮想マシン作成方法

前回の投稿ではNutanix上で動作するCVMなどの説明を行うと記載していたのですが、現状ではNutanixの仮装基盤が出来ただけで仮想マシンの作成(主にWindows OS)がうまく出来ないと思いますので、そちらの方法について簡単にご紹介します。
現時点でMicrosoftのサポートが有効な各種Windows OSはすべてAHVで動作するのですが、今回はWindows Server 2019を導入していきたいと思います。

また、今回の検証環境は前回の記事でご紹介したNutanix CE上で実施しておりますので、Nutanix CEの導入方法を知りたい場合は前回作成した以下の記事をご覧下さい。
https://hanpamonoengineer.blogspot.com/2019/12/nutanixcecommunity-edition.html



AHV上でWindows OSを動かすための準備
前回の記事でNutanix CE上に動作確認用の仮想マシンを作成出来たため、すでに仮想マシンが動作する環境を用意出来ているのではないかと思われるかもしれません。
ですが、そのままOSのインストールを進めていくと仮想マシンのディスクが認識出来ていないことに気づくと思います。


仮想マシンの作成(失敗パターン)
このままではどういった問題があるのか、実際に見て頂ければと思います。
はじめに前回の記事で紹介したNutanix CE構築直後の状態で、Nutanix上に新たな仮想マシンを作って見ます。
Prismホーム画面左上で「VM」を選択し、画面右上の「Create VM」を押下します。

仮想マシンを作成する際に必要な各項目に以下のような値を入力します。
・Name:{任意の仮想マシン名}
・Description:(空白)
・Timezone:(UTC + 09:00) Asia/Tokyo
・vCPU(s):2
・Number Of Cores Per vCPU:4
・Memory:4 ※GB単位


また、今回はOSをインストールするためのディスクを仮想マシンに割り当てる必要がありますので、新規仮想マシン作成画面の真ん中あたりにある「+ Add New Disk」を選択します。
新たな入力項目が表示されますので、以下の構成で仮想ディスクを割り当てます。
・Type:DISK
・Operation:Allocate Storage Container
・Bus Type:SCSI
・Storage Container:default-container-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx ※xは環境により変動します。
・Size:40GB ※OSがインストールできる任意の容量。また、AHVはシンプロビジョニングが適用されるため、実際の容量はOSが利用を初めるまで圧迫されません。
・index:Next Available

入力後、下部の「Add」を押下します。

前の画面に戻り、先程追加したディスクが追加されていることを確認します。
また、項目[Type]に関しては前回の記事でご紹介した手順にて、Windows Server 2019 ISOイメージのアップロードと仮想マシンへ追加を行います。
残りの項目はデフォルトの状態で「Save」を押下します。

先程のウィンドウが閉じられ、仮想マシンが作成されます。
対象の仮想マシンを選択し、「Power on」を押下して仮想マシン起動後、続けて「Launch Consol」を押下してコンソール画面を表示します。

しばらくすると、Windowsのインストール画面が表示されます。
手順を進めて行き、OSをインストールするディスクを選択する画面で何も表示されていない状態を確認することが出来ます。

Windows OSをインストールする場合、そのままの状態では一部のデバイスを認識することが出来ないため、後述の手順通りドライバーの追加を行う必要があります。



成功パターンへの準備
1.ドライバーのダウンロード
Nutanix専用のハイパーバイザー「AHV」は、LinuxベースのOSS仮想化技術である「KVM」をベースに作成されたハイパーバイザーとなり、VirtIOパッケージに含まれる準仮想化ドライバー(以降VirtIOドライバー)が必要になります。
LinuxベースのためLinuxOSには標準で搭載されていますが、Windows OSの場合には事前にVirtIOドライバーを適用する必要があります。

まずはこのVirtIOドライバーをNutanix公式ページから取得します。
以下URLから「My Nutanix」に接続し、Support Portalを選択します。
My Nutanix:https://my.nutanix.com/#/page/accounts

Support Portalの画面左上の三本線を選択すると、以下のようなリストが表示されますので、項目[Downloads - Tools & Firmware]を選択します。
※一部、実際の問い合わせ内容が含まれるため、灰塗りで伏せております。

一覧の中から「Nutanix VirtIO 1.1.5 for Windows (iso)」が存在することを確認し、右側の「Nutanix-VirtIO-1.1.5.iso」を選択したダウンロードを行います。


ダウンロードしたISOファイルをAHV上にアップロードします。
※アップロード方法については、本ブログ最初の方に記載している前回の記事をご覧下さい。


2.仮想ネットワークの作成
仮想マシンに割り当てるための仮想ネットワーク、いわゆるvSphereのポートグループを作成します。
AHVではESXiと異なり、デフォルトでは仮想マシンに割り当てることが出来るネットワークが存在しないため、仮想マシンにNICを追加する場合は必ず作成する必要があります。
また、先程のディスクと同様にWindows OSから認識させるためには後述のVirtIOドライバーを導入する必要があります。

Prismホーム画面左上で「VM」を選択し、画面右上の「Network Config」を押下します。

「Virtual Networks」が選択されていることを確認し、中央の「Create Network」を押下します。

項目[Name]に任意のネットワーク名、項目[VLAN ID]に任意のVLANIDを入力します。

入力後、画面下部の「Save」を押下します。

先程の画面に戻り、仮想ネットワークが作成されたことを確認します。


3.仮想マシンの編集
ダウンロード及びアップロードしたVirtIOドライバーのISOファイルを、仮想マシンにマウントします。
一旦仮想マシンをパワーオフした後に、仮想マシンの編集を行います。
対象の仮想マシンを選択し、「Update」を選択します。

仮想マシン作成時と同様に、各設定項目が表示されます。
新規ディスク作成と同様に「+ Add New Disk」を選択します。
項目[Type]を「CD-ROM」に指定し、項目[Image]にアップロードしたVirtIOドライバーのISOファイルを指定します。
追加後は、画像のように2つのCD-ROMドライブが追加されていることを確認します。

そのまま続けて、ネットワークアダプターの追加も合わせて行います。
先程の少し下にある、「Add New NIC」を押下します。
作成した仮想ネットワークを選択します。

以下の画像のようにネットワークアダプターが追加されていることを確認し、「Save」を押下します。


4.仮想マシンの起動とVirtIOドライバの適用
再度、仮想マシンを起動し、Windows OSのインストールを進めていきます。
ここで、VirtIOのISOファイルからブートしてしまうとWindows OSがインストール出来ないため、ブート順序に注意してください。

起動していくと、初回起動時と同様にインストール先のディスクが見えない状態です。
ここで、「ドライバーの読み込み」を押下します。

「参照」を押下します。

もう一つのCD-ROMにマウントしているVirtIOドライバーのISOファイルから、対象OS・bit数のフォルダを選択します。
(画像ではEドライブにVirtIOドライバーのISOファイルがマウントされています)

選択後、通常であれば3つのドライバーが表示されます。
すべて選択して「次へ」を押下します。
(ここで追加されているドライバーはネットワークアダプター、ディスクコントローラー、メモリ開放を行うためのバルーニングドライバーが含まれています。)

先程の画面に戻り、正常にディスクが認識されている状態になります。
これ以降は通常通り、Windows OSのインストールに進んでいきます。

正常にインストールが完了し、OSの操作が行えることを確認します。


以上が、AHV上でWindows OSを動作させるための手順になります。

次回はCVMなどのNutanix上のコンポーネントや構成、またはNutanixのバックアップとして利用できるスナップショットどちらかをご紹介出来ればと思います。

2019年12月12日木曜日

Nutanix CEの構築手順

※追記
本記事は2019年の記事となり、2020年末の時点では情報が古い部分があります。
2020年10月頃にリリースされたNutanix CE v5.18をベアボーンにインストールした記事を新たに投稿したので、よろしければそちらをご覧ください。
前回の投稿でお伝えしたとおり、Nutanix Community Edition(以降、CE)と呼ばれる体験版が利用可能になるまでの手順をご紹介させて頂きます。
CEはNutanixの独自ハイパーバイザーであるAHVで構築されますので、そちらの操作感などを体験頂けると思います。

また、Nutanix CEの構築方法については、すでに多くに方が情報を発信されておりますが、導入時期(正確には時期により、公開されているバージョンが異なること)によって導入手順が異なる場合があるようです。
そのため、今回のブログは2019年12月時点のCEインストール手順として参考にして頂ければと思います。


インストーラーのダウンロード
インストーラーをダウンロードするために「My Nutanix」というメーカーサイトに登録を行う必要があります。

My Nutanix ログインページ:https://my.nutanix.com

登録してログイン後、インストーラーをダウンロード出来るページまで移動するのは少し手間がかかるため、以下のURLに直接アクセスします。
ダウンロードページ:https://next.nutanix.com/download-community-edition-15/download-getting-started-with-ce-5-11-24210

このようなページに移動されます。
ページ下部にある、以下のリンクからダウンロードして下さい。
 ※拡張子が「.img.gz」のものが対象です。

ダウンロード後は、任意の解凍ソフトで「.img」の形式に解凍します。



ESXi上にネストで構築
ここから実際の構築作業に入っていきます。

初めは物理サーバーに対してインストールを行おうと考えていたのですが、実際に検証を行いたいときに物理サーバーを用意するのは難しいと感じましたので、ESXi上にネストで動作する環境を構築することにしました。
なお、本環境のESXiのバージョンは「6.0.0, 3620759」になります。


1.Nutnaix CE用の仮想マシンを作成
Nutanix CEを動作させるための仮想マシンを以下の構成で作成します。
また、今回はvSphere ClientのHTML5版から操作を行っています。
 ・仮想マシンバージョン:11
 ・ゲストOSの選択:Red Hat Enterprise Linux 7(64bit)
 ・vCPU:8 ※最低要件4
  →「仮想 CPU パフォーマンス カウンタの有効化」にチェック
  →「ハードウェア アシストによる仮想化をゲスト OS に公開」にチェック
    ※こちらの環境ではEVCが有効な環境ため、チェックを外しています。

 ・メモリ:32GB ※最低要件16
 ・※新規で作成されるハードディスクを削除

 ・インターネットに接続可能なインターフェース
   ※ライセンス認証を行うため、インターネット接続出来る必要があります。


仮想マシン作成後、仮想マシンを配置したデータストアを選択し、作成した仮想マシンのディレクトリに先程ダウンロードしたCEのインストーラーをアップロードします。
また、このディレクトリに「.vmdk」ファイルが存在しないことを確認します。
(.vmdkファイルは仮想ディスク用のファイルですが、仮想マシン作成時にディスクを削除しているため表示されないことが正の状態です)


2.作成した仮想マシンフォルダにSSHで接続&事前準備
仮想マシンを作成した先のフォルダにSSHで接続を行います。
なお、ESXiへのSSH接続はデフォルトでは無効の状態になっていますので、有効化します。

TeraTermなどのターミナルソフトからrootユーザにてSSHで接続を行います。
認証情報入力時、TeraTermでは「キーボードインタラクティブ認証を使う」でパスワードを入力します。

ログイン後、以下のディレクトリに移動します。
/vmfs/volumes/{仮想マシンを作成したデータストア名}/{作成した仮想マシン名}

私の場合は、「Datastore02」というデータストアに「ma-NutanixCE」という仮想マシンを作成したので、
・コマンド【cd /vmfs/volumes/Datastore02/ma-NutanixCE】
と入力することで対象のディレクトリに移動出来ます。


ここに、CEをインストールするための仮想ディスクをviコマンドなどを用いて手動で作成します。
・コマンド【vi ce.vmdk】
ファイルの内容は以下の内容をコピーして貼り付けます。
----ここから----
# Disk DescriptorFile
version=4
encoding="UTF-8"
parentCID=ffffffff
isNativeSnapshot="no"
createType="vmfs"

# Extent description
RW 14540800 VMFS "ce.img"

# The Disk Data Base
#DDB
ddb.adapterType = "lsilogic"
ddb.geometry.cylinders = "905"
ddb.geometry.heads = "255"
ddb.geometry.sectors = "63"
ddb.virtualHWVersion = "11"
----ここまで----
※9行目の「ce.img」の内容ですが、こちらは先程アップロードしたCEのインストーラー(.img)の名前を指定します。
インストーラーの名前を変更するか、こちらの行を調整するかお好みに合わせて対応して下さい。


3.仮想ディスクの追加
先程作成した仮想マシンにディスクの追加を行います。
ここで追加を行うディスクは
 ①先程手動で作成した、vmdkファイルを既存のハードディスクとして作成。
 ②200GBの新規ディスク(シンプロビジョニング)
 ③500GBの新規ディスク(シンプロビジョニング)
   ※順番に注意!
ここまで設定が完了後、初めて仮想マシンをパワーオンします。

正常に起動が完了すれば、以下の画面が出力されます。
CentOSと表示されており、私が初めて実施したときは変な所からブートしたと思いましたがこれが正の状態になります。


4.インストール直前の調整
インストールを行う前に、CLIから以下の調整を行います。
 ①キーボード設定の日本語化
 ②インストールディスクをHDDからSSDへ認識させるための調整
 ③仮想マシン設定ファイルの調整

①キーボード設定の日本語化
デフォルトのキーボード設定が英字になっているため、日本語に切り替えます。
CLIの画面で「install」ユーザー(パスワードなし)でログインすると、キーボード設定の画面が表示されますので、「jp106」を選択し、「Proceed」から次へ進みます。
次にインストール先のディスクに関する確認画面が表示されますので、同じく「Proceed」から次へ進みます。
ただし、この状態では以下のようにインストールに失敗してしまいます。
Nutanixは製品の性質上、SSDの領域を必要とするため本環境のようなHDDが利用される場合や仮想マシン上に作成する場合は後述の設定にて、SSDとして認識させる必要があります。

②インストールディスクをHDDからSSDへ認識させるための調整
一度「install」ユーザーからログアウトし、「root」ユーザー(パスワード:nutanix/4u)でログインし直します。
ログイン後、以下のコマンドで設定を変更します。
・コマンド【echo 0 > /sys/block/sdb/queue/rotational】
このファイルの設定が1の場合はHDD、0の場合はSSDとして認識されるようです。

③仮想マシン設定ファイルの調整
この状態でCEのインストールを行うと、構築したCE上で仮想マシンを起動する際に正常に起動・操作が全く行えなくなります。
この問題を回避するために2つのファイルに編集を行います。

以下のコマンドを実行し、ファイルの編集を行います。
・コマンド
【cd /var/cache/libvirt/qemu/capabilities/】
vi 3c76bc41d59c0c7314b1ae8e63f4f765d2cf16abaeea081b3ca1f5d8732f7bb1.xml

viエディタで開くと、下の方に以下の記述があります。
----ここから-一部抜粋----
 <machine name='pc-i440fx-rhel7.3.0' alias='pc' hotplugCpus='yes' 
maxCpus='240'/>


 <machine name='pc-i440fx-rhel7.2.0' hotplugCpus='yes' maxCpus='240'/>
----ここまで----

この内容を以下の通り、変更を加えます。

----ここから-一部抜粋----
 <machine name='pc-i440fx-rhel7.2.0' alias='pc' hotplugCpus='yes' 
maxCpus='240'/>



※行ごと削除する!
----ここまで----
編集前

編集後
上記画像のように編集を行います。

続けて、以下のコマンドでもう一つのファイルを編集します。
・コマンド
【cd /home/install/phx_iso/phoenix/svm_template/kvm】
vi default.xml】
----ここから-一部抜粋----
    <type arch='x86_64' machine='pc'>hvm</type>


    <pae/>
----ここまで----

この内容を以下の通り、変更を加えます。

----ここから-一部抜粋----
    <type arch='x86_64' machine='pc-i440fx-rhel7.2.0'>hvm</type>



    <pae/>
    <pmu state='off'/>
----ここまで----

編集前

編集後
先程と同じように編集します。

※細かな内容は異なりますがこれらの変更を加えないと、以下URLでアップされている画像のような事象が発生します。
 https://next.nutanix.com/installation-configuration-23/vm-boot-31694


5.CEのインストール
前項番①~③までの作業が完了後、再度「install」ユーザーでログインし直します。
キーボード設定後は先程と異なりネットワーク情報の設定画面が表示されます。
ここで、NutanixのハイパーバイザーであるAHVホストのネットワーク情報と、AHV上で動作するCVM(Controller VM)という、仮想基板上のI/Oをコントロールする仮想アプライアンスのネットワーク情報を入力します。
合わせて、「Create single-node cluster」にチェックを入れ、DNSサーバーのアドレスを入力し、EULAの項目を一番最後までスクロールして「accept the end user license agreement」にもチェックを付けます。
※CVMはNutanixを構成する非常に重要な要素の一つになりますので、こちらについては改めて詳細をご紹介出来ればと思います。
 今は1仮想ホストに必ず1CVMが必要になるということをご認識下さい。

最後に、下部の「Start」を選択するとインストールが開始されます。
環境によりますが、20分程で完了します。
インストール完了後、CVMのIPアドレスにブラウザからNutanixの管理画面「Prism」のログイン画面にアクセス出来ます。
初期の認証情報は、ユーザー名「admin」パスワード「nutanix/4u」です。

初回ログイン時、パスワードの変更を求められるので任意のパスワードを設定し、再度ログインし直します。


ログインすると、CEの場合のみライセンス認証のフェーズが発生します。
この際に、インターネット上に存在する認証サーバと通信を行う必要があります。
CEのインストーラーをダウンロード際にアクセスしたMy Nutanixの認証情報(usernameはメールアドレス)を入力します。

認証に成功すれば、管理画面「Prism」のホーム画面が表示されます。



インストール後の確認作業
最後に仮想マシンが正常に起動出来るか確認を行います。

本ブログの項番2-4で行った作業を実施しても、仮想マシンの起動に失敗する事象が確認されていますので、失敗する場合は後述の設定を行います。

まずは動作確認を目的に、仮想マシンの作成を行います。
はじめに仮想マシンにインストールするOSのイメージをアップロードします。

Prismホーム画面右上の歯車マークを選択します。

画面左側の「Image Configuration」を選択し、画面中央の「+Upload Image」を謳歌します。

項目[Neme]に任意の名前を入力し、項目[Image Type]に「ISO」に選択します。
項目[Storage Container]はデフォルトのままで、項目[Image Source]は[Upload afile]を選択し、対象のISOイメージを選択してアップロードします。

アップロードが完了したら、仮想マシンの作成を行います。
Prismホーム画面上部から項目「VM」を選択します。

画面右上の「Create VM」をクリックします。

項目[Name],[vCPU],[Memory]に任意の値を入力し、[Disks]内の「CD-ROM」右の編集ボタンを押下します。



項目[Operation]は「Clone form Image Service」を選択し、[Image]に先程アップロードしたISOファイルが選択されていることを確認し「Update」を押下します。
※ここでISOファイルが選択出来ない場合、前の手順で実施したイメージアップロードの際に、項目[Image Type]で「DISK」が選択されていた可能性があります。
 その場合は再度イメージのアップロード画面に戻り、「DISK」から「ISO」に変更する必要があります。

残りの項目はすべてデフォルトの状態で、「Save」を押下します。
※ここでは実際にOSのインストールは実施しないので、OSをインストールするディスクやNICを追加する必要はありません。

しばらくすると作成した仮想マシンが一覧に表示されます。
仮想マシンを選択し「Power on」で仮想マシンを起動後、「Launch Console」で仮想マシンのコンソール画面を確認します。

正常にISOファイルからブートが行え、OSインストール画面が表示されていれば成功です。

失敗した場合は恐らく以下のようなメッセージが表示され、以降の操作が出来なくなってしまいます。

この場合は、一度仮想マシンを停止して、項番5で指定したCVMのIPアドレスに対して
nutanixユーザー(パスワード:nutanix/4u)でSSH接続を行い以下のコマンドを実行します。
・コマンド
【acli vm.update {仮想マシン名} extra_flags=machine_type=pc-i440fx-rhel7.2.0】

再度仮想マシンを起動して、OSのインストール画面が表示されていることを確認します。



長くなってしまいましたが、以上でNutanix CEの初期構築作業は終了です。

今回はとりあえず実際に触って頂く目的でNutanix CEの構築方法についてご紹介しましたが、次回はそもそものNutanixの特徴についてご紹介しようと思います。


ここまでの情報は以下のサイトを参考にさせて頂いております。
参考サイトURL① : https://blog.ntnx.jp/entry/2018/03/05/022159
参考サイトURL② : https://www.n-novice.com/entry/2019/03/24/140000
参考サイトURL③ : http://ponkotuse.blogspot.com/2018/12/nutanix-ce.html