2020年11月24日火曜日

単体FSVMのNutanix Filesについて

本来は最小3台から展開されるFSVMを1台にして、Nutanix Filesを展開する方法を紹介します。

単体FSVMのNutanix Files


構築方法

単体であろうと、構築の方法は通常とほとんど変わりません。
※通常のFiles構築方法については以下の過去記事をご覧ください。

PrismからFilesを展開する際に、はじめの[ベーシック]項目にて「カスタマイズ」を選択します。
なお、今回はPrismを日本語表記にしていますので、設定言語に合わせて読み替えてください。

「マニュアルで設定する」を選択。

「ファイルサーバーVMSの数」を1に設定します。
※バージョン3.7.1では右の上下ボタンからしか1を指定できませんでした。

残りの設定は通常のFiles構築方法と基本的に同じです。
異なる点はクライアントネットワークとストレージネットワークはそれぞれ1つのIPアドレス(計2つ)となり、VIPは不要になります。
 


構築後の見え方

Filesの一覧では、通常のFilesと同じように表示されています。

仮想マシンを見てみると、設定通りFSVMは1台しか存在しないことが確認できます。


共有フォルダの作成

共有フォルダの作成は標準共有フォルダ(Standard Share)しか作成できません。
分散共有フォルダ(Distributed Share)の仕組みを考えると、メリットが無いためそもそも設定できないようになっているようです。
単体FSVMで共有フォルダの作成時

通常のFilesで共有フォルダを作成時はDistributedの項目が存在します


注意点

FSVMはファイルサーバーを利用するクライアントが接続するNASヘッドの役割のため、過去の記事で紹介した可用性や負荷分散などのメリットは薄れてしまいます。
また、拡張性の面においてもFSVM単体のリソース増強は可能ですが、FSVMを増やすことができません。
FSVMの台数を拡張する項目が存在しません

通常の3台FSVM構成の場合は拡張可能です



まとめ

単体のFSVMで構成されるFilesについて紹介させて頂きました。
いくつか注意点もありますが、OSに依存した移行作業が不要なことやFile Analyticsが利用できることなど、Filesの恩恵を受けることができる部分ももちろん存在します。
単純に物理でファイルサーバーを設けたり、仮想環境上にWindows OSでファイルサーバーと設けるより、メリットがあるのではと思います。

このような点を踏まえると、小規模かつ拡張性と可用性を高レベルで求めない環境では単体FSVMのNutanix Filesという選択も出てくるのではと考えています。