2021年8月31日火曜日

NutanixのPrismから利用できる分析機能

今回はPrismから利用できる分析機能について紹介してみます。

分析(Analysis)

まず、今回紹介する機能はPrism左上のメニューから選択できる「分析」タブ(英語表記ではAnalysis)になります。
こちらは必須の機能ではありませんが、Nutanix全体のパフォーマンス状況を確認できたり、障害発生時の切り分けに利用できる場合があります。


何ができるのか?

Nutanix全体の各リソース使用状況を可視化することができます。

仮想マシン、またはクラスターをはじめ様々な対象のCPU、メモリ、DiskIOなどのリソース情報を時刻ごとにグラフ形式で表示することができます。

これを利用して、例えば特定の仮想マシンにて動作しているアプリケーションが不安定な状況が発生した場合、どのリソース不足が原因であるか特定することができると考えています。


チャートの作成

Prism左上のメニューから「分析」を選択します。

分析画面ダッシュボードは最初の状態では何も表示されておらず、ここにチャートを追加していく形になります。
今回は例としてクラスター全体のCPU使用率を表示するチャートを作成してみます。
チャートには「指標チャート」と「エンティティチャート」の2種類が存在し、「指標チャート」はCPUやメモリなどのリソースに焦点を当てチャートを作成し、「エンティティチャート」はホストや仮想マシンなどに焦点を当てチャートを作成します。
今回は指標チャートを作成を試してみるので、まずは左上の「新規 - Chart(指標チャートを新規作成)」をクリックします。

任意の名前を入力し、項目[指標]には「Hypervisor CPU Usage (%)」を選択します。
項目[エンティティタイプ]には「Cluster」を選択し、項目[エンティティ]には分析対象のクラスターを選択し、「保存」をクリックします。
 ※項目[指標]のテキストボックスに文字列を入力することで検索することができます。
  非常に多くの選択肢が存在しますので、検索機能を利用して条件を探すことをおすすめします。

分析ダッシュボードに作成したチャートが表示されます。

次に特定の仮想マシンCPU使用率のチャートを作成します。
先程と異なり、項目[エンティティタイプ]に「Virtual Machine」を選択して、項目[エンティティ]には分析対象の仮想マシンが選択されている状態で「保存」をクリックします。

分析ダッシュボードに作成した複数のチャートを並べて表示されます。

仮想マシン上のアプリで動作が不安定な状態となった場合、それが仮想マシンのCPUリソース不足が原因であるか、クラスター全体でリソース不足が発生している、どちらでもなければそれ以外の要因であるなどの状況を判断する一つの材料として活用することができます。

デフォルトでは1日の期間でグラフが表示されており、右上のプルダウンメニューから期間を変更することができ、最大で3ヶ月間の期間でチャートを表示することが可能です。

また、上部のバーをスライドさせることで、表示する期間を微調整することもできます。

このように複数の要素を過去に遡って確認、比較する場合に活用することができます。


チャートの編集

作成したチャートを修正することもできます。
チャート左上のチャート名をクリックし「Edit Chart」を選択します。

分析対象の仮想マシンを増やしてみます。

一つのチャートに複数の仮想マシンを含める形に編集することができました。


チャートの簡単な作成方法

上記で説明した手順も簡単ですが、仮想マシン一覧などからチャートを作成することもできます。
仮想マシン一覧から任意の仮想マシンを選択し、下部にあるリソースグラフ右上にカーソルを合わせて、「分析ページにチャートを追加」をクリックします。

選択した仮想マシンリソースのチャートが分析ダッシュボードに表示されます。
なお、この手順で作成したチャートは画面遷移後に削除されてしまうため、「Save Chart」をクリックすることで、恒久的にチャート残すことができます。


まとめ

Nutanixのメリットの一つに仮想基盤の運用コストが軽減できるというものがあります。
これはPrimsからハイパーバイザーや仮想マシン、ストレージを一元管理できることや様々なアップグレードが簡単にできることもそうですが、今回紹介した分析機能により仮想基盤の様々なリソース状況を可視化することで、全体像を把握しやすいという点も運用コストを軽減できる一つの要素になっていると考えています。

このような機能を追加コンポーネントや上位ライセンスが不要で利用できる点は、魅力的だと思いますので、このブログをご覧頂いた機会に是非利用してみてください。