前回の記事でNutanix CEをベアボーン上に構築しました。
今回は構築したNutanix CE上に存在する仮想マシンをHYCUと呼ばれるバックアップ製品を使って保護してみようと思います。
構築編とバックアップ・リストア編の2回に分けて紹介できればと思います。
HYCUとは
アメリカに本社を置くHYCU社から提供されているバックアップ製品です。
様々な環境に対してシンプルでインテリジェントなバックアップ機能を提供することができ、特にNutanixとの親和性が高いことが特徴に挙げられます。
数あるバックアップベンダーの中でHYCUは新興勢力というポジションで、日本では導入実績が少ないですが徐々に注目されている製品でもあるようです。
なぜHYCUを記事にしたのか
Nutanix CE上でHYCUを利用する場合はライセンスが不要(※現時点最新のv4.2.0の場合)になるため、恒久的に検証環境用のバックアップ機能として活用することが出来ると思ったので記事にしてみようと思いました。
Nutanixのバックアップ機能で十分では?
Nutanixにはストレージスナップショットと同等の仕組みが用いられたデータ保護機能(Protection Domain)が備わっています。
これで保護しておけば十分じゃないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、この機能はあくまでローカルストレージ内のブロックを書き込み不可の状態にしてリカバリポイントを作成し、ポインターを切り替えることでリストアが行われる仕組みです。
エンタープライズ向けに導入されるNutanixは通常3台以上の構成で導入されるため、物理的にハードウェアが破損した場合も残りのノードでデータが保持されるので、ほぼほぼ安全です。
しかし、私が自宅用に作った1台のハードウェアで構成されているNutanixの場合、当たり前ですがProtection Domainを有効にしていても、機器そのものが壊れてしまうとどうしようもありません。
そういった場合は外部にNASなどを設けて、データを退避してあげる必要があります。
(そもそも自宅用にバックアップなんか不要な方のほうが多いと思いますが・・・)
インストール作業
それでは実際にNutanix CE上にインストールしようと思います。
HYCUをダウンロード
HYCU社のホームページから、ダウンロードできます。
https://www.hycu.com/data-protection/hycu-for-nutanix/
右上の「REQUEST FREE TRIAL」をクリックします。
左側の項目は「HYCU for Nutanix」と左下は「AHV」を選択してください。
右側の項目は所属組織の情報を入力します。
入力後、下部の「SEND REQUEST」をクリックします。
「GET YOUR HYCU」をクリックします。
下のリンクをクリックします。
「Download .qcow2」をクリックします。
「hycu-4.2.0-4164.qcow2」というファイルがダウンロードされます。
ダウンロードしたファイルをアップロード
ダウンロードしたHYCUのバイナリをNutanix CE上のAHVにアップロードします。Prismにログインし、右上の[ギアアイコン] - 左側メニューの[Image Configuration] - [Upload Image]をクリックします。
※Storage Containerは明示的に作成していない場合、デフォルトで作成されている「default-container-xxxxxxxx」を指定してください。
STATEが「ACTIVE」になれば、アップロードが完了した状態になります。
HYCUのインストール
HYCUは仮想アプライアンスとして動作します。先ほどアップロードしたバイナリから、HYCUの管理サーバーを構築することができます。
まずは仮想マシンを作成します。
Prismの左上メニューから[VM] - [Table]を選択し、右上の[+ Create VM]を選択します。
作成する際の項目は以下のように設定します。
クリックして拡大できます。 |
・4vCPU(最小)
・メモリ4GB(最小)
・NICを一つ搭載(ネットワークを作成していない場合は、事前に作成)
・アップロードしたバイナリと、インストール先となるディスク(32GB以上)の2つを追加
仮想マシンが作成できたら、「Power On」から起動します。
仮想マシン起動後、「Launch Console」からコンソールを表示します。
インストールが開始されます。
最後に「OK」を選択して、このコンソール画面を終了します。
https://{設定したHYCUのIPアドレス}:8443
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